カフェー　こむぎ

古河市には横山町の他に下山町にも赤線がありました。
ほぼ地元ということもあり、
下山町にピンクサロンのお店があったのは記憶にありました。
もしかしたら、今でもお店をやってる酒場があれば
お話を聞けるかなと思い行ってみることにしました。
私はお酒が飲めないため、
お店に入ること自体慣れていなくて勇気がいりましたが、
勇気を出して周辺を歩いていると開いているお店がありました。　
扉を開けると、
お店のママさんとカウンターに座る男性が1人いました。
何処に座ったら良いかわからずカウンターの端に座り
ウーロン茶を頼みました。
ママさんはおつまみにひきわり納豆と枝豆を出してくれました。
常連さんが
「君、若い子は珍しいけど何処から来たの？」
と、話しかけてくださったので
住んでいるところと、地元が近いこと、
古河の歴史や赤線について調べていることを話しました。
すると、ママさんと常連さんはもっと近くに座りなよ！と、
笑顔で声をかけてくださいました。
私はガチガチに緊張していましたが、
勇気を出してお店に入って良かったなとほっとしました。
常連さんは生まれは古河で
最近また古河に帰ってきて暮らしていること、
昔やっていた仕事のことなどを話してくれました。
ママさんは下山町でお店を開いて10年ほどだそうです。
常連さんは年齢が60代ということもあり、
赤線の時代の古河の様子などはわからないとのことでしたが
ママさんと常連さんは○○のお店のおばあちゃんや
よく来る○○さんなら知ってるんじゃない？
など、いろいろと教えてくれました。
また、同じ下山町にあるカフェーの鑑札が残るお店の
内装を見てみたいのですが、どなたに相談したらいいですか？
と、聞いたところ
地主さん、大家さん、ママさんがいて
ママさんが夜逃げしたりお店辞めちゃったりすると
なかなか連絡が取れなくなって
お店はそのままになっちゃうのよね。
だから、ちょっとわからないの。
役所の人に聞いてみたら？
と、ママさんが教えてくれました。
色々話しているとお客さんが1人、2人と増え
カラオケが始まりました。
恥ずかしながら、あまり酒場やスナックなどで
カラオケをしたことがないので何を歌ったらいいかわからず
ＡＫＢの恋するフォーチュンクッキーを歌いました。
ＡＫＢはさほど知らないし、
チョイス間違ってるかもしれないです。ごめんなさい。
皆さん優しくて拍手してくださってホッとしました。
他のお客さんもカラオケを一曲づつ歌い終わったころ
ママさんはメロンやおせんべいやチーズを出してくださいました。
そして、他のお客さんにも君はなんで遊郭について調べてるんだい？
どうして知りたいんだい？と、話が戻り自分の思いを伝えました。
売春は悪なのか善なのか知りたいんです。と言いました。
すると、ママさんが
「そうねえ。きっと、善じゃないかしら。
おじいちゃんでもお尻が触りたいとか欲求があっても
なかなかお店とか行かないと触れないじゃない？
昔はこの辺りもピンク屋さんがあったけど
摘発されてからお店がなくなっちゃったもんね。
10年位前かしら？
近くのピンク屋さんの電気がしばらく点かなくて
みんなで旅行かしら？と、思ったら摘発されてね。
それにね、そういうお店に行ったりしないと
大人の女性と触れる気がなかったりする今の若い人は
小さい子をターゲットにしたり弱い人に当たったりすると思うの。
だから、やっぱり必要よね。」
と、話してくれました。
確かにママさんの言う通り需要と供給で
いつの時代も必要悪というか
性に関わるお仕事は必要とされている仕事で
法で整備されていても無くならないものだなと思いました。
また、何年か前に警察24時で古河のピンサロが摘発されたことを
テレビで放送していたのは聞いたことがあったのですが
このあたりだったと、初めて知りました。
そのあとも、古河の歴史や世間話、ちょっと笑える下の話などを
皆さんに交じりいろいろお話ししました。
帰る頃にお店に最初から来ていた常連さんが
「来週○○のお店に一緒に行ってあげるから
おばあちゃんに話聞いてみなよ！
昔から下山町でお店やってるから知ってるかもよ？」
と、声をかけてくださいました。
「ありがとうございます！来週もお願いします！」
と、お礼を言いまた来週会う約束をしました。
お店を出るときに、ちょっと興奮気味で顔が赤かったのか
ママさんに「この子お酒じゃなく人に酔ってるわ！」
と、からかわれました。お恥ずかしいです。
皆さんに今日はありがとうございました。おやすみなさい。
と、ご挨拶をしてお店を出ました。
人生初の一人酒場でしたが
お酒が飲めず、いきなり飛び入りでしたが
ママさんや他のお客さんが優しくてとっても居心地がよかったです。
ママさんの言う「人に酔う」って言葉がしっくりくる酒場でした。
ぜひまた来たいと思います。
ありがとうございました。